「ホステル」HOSTEL
 映画シリーズについて

●「ホステル」HOSTEL 映画シリーズについて


 このシリーズは、「1」が特出して優秀で、「2」がそこそこ、「3」が残念な出来といった様相です。そりゃ「2」や「3」に見るべきところを見出す方もいらっしゃるでしょうが、筆者(youon)の判断は上記のようになりました。

 したがいまして、「2」や「3」にはあまり言及しません。そもそも見たことは見ていますが、あまり覚えておりません。「1」はDVDを所有しています。
 「1」が優秀なところは、一般に認識されているスプラッターホラーとしてではありません。アクションサスペンス映画として優秀です。

 これは皆さんおっしゃっていますが、このシリーズにあるような「拷問ビジネス」が本当に存在するのではないかと思わせるような描写ですね。それが「1」には確実にあります。

 まずロケーションの妙。「スロバキアのプラティスラヴァへ行けばエロエロで女抱き放題」という情報を得て、主人公たちは、スロバキアのプラティスラヴァ近郊へ向かうわけだが、もちろんスロバキアは東欧の実在の国だし、プラティスラヴァは首都である。下半身目的の旅行者の主人公3人がアムステルダムで仲介人からどういうメモを受け取ったのか定かではないが、着いたところがド田舎の駅。ここら辺から胡散臭さムンムンで、見知らぬ土地での不安感が良く出ていた。

 結局、街ぐるみでとんでもないことをしてた訳で、そのリアリティが半端じゃない。よくスロバキアの観光局がクレームを出さなかったものだと思う。

 筆者(youon)が特にリアルだと思ったのは、誘惑する女性たちが、事件が起こった後、仲間を探す主人公とバッタリ喫茶店で出くわしたときはノーメイク(わざと荒んだメイクにしている?)だったこと。

 タランティーノが製作総指揮ということで、タランティーノらしさも出ている。日本人女の子旅行者の下手英語やゲスト出演の映画監督・三池崇史の不気味なセリフなど、日本通のタランティーノらしい。
 タランティーノは、監督のイーライ・ロスのアクションセンスを買っているのか、2009年のタランティーノ監督作『イングロリアス・バスターズ』内で上映されるドイツ戦闘映画の監督をしている。




●「ホステル」HOSTEL 映画シリーズ 

・オリジナルポスター ・日本版ポスター
      

・ホステル
 Hostel

製作:2005年 米 
監督:イーライ・ロス
音楽:ネイサン・バール

●極私的感想
異国の不安感が良く出ている。アイスランド旅行者が「アジアの女は苦手だ」や、TVの「パルプ・フィクション」の吹き替えが異国語であったりとリアルである。逃亡する主人公が更衣室で他の客と出くわすのは名シーン。逃亡劇のスリル。

 
・オリジナルポスター ・日本版ポスター
      

・ホステル2
 Hostel: Part II

製作:2007年 米 
監督:イーライ・ロス
音楽:ネイサン・バール

●極私的感想
前作の設定のまま主人公を女性旅行者にした。「スパ目当て」で誘拐されていく展開に工夫は無く、前作の女目当てを男目当てに変えてイイ男の誘惑にしても良かった(多分そういう展開にスタッフが興味が無かった)。ラストの世界観をいきなり小さくする展開はいかがなものか。

 
・オリジナルポスター ・日本版ポスター
      

・ホステル3
 Hostel: Part III

製作:2011年 米 
監督:スコット・スピーゲル
音楽:フレデリック・ウィードマン

●極私的感想

「1」の困窮した田舎町がひり出した街活性化ビジネスが、世界的ネットワークの組織に運営されているという残念な設定。主人公は男性になりエロや金、女目的になったが、舞台は世界のラスベガス。アメリカにとっちゃ庭みたいなもんで、裏組織も作り話めいてしまった。


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