■ 第6作 女王陛下の007
On Her Majesty’s Secret Service 1969年 英・米 |
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監督/ピーター・ハント
製作/ハリー・サルツマン、アルバート・R・ブロッコリ
脚本/ウォルフ・マンコウィッツ、リチャード・メイボーム
音楽/ジョン・バリー
シンガー/ルイ・アームストロング
撮影/マイケル・リード
編集/ジョン・グレン
美術/ シド・ケイン、ピーター・ラモント
タイトル・デザイン/モーリス・ビンダー
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●舞台/ポルトガル、アルプス(スイス)
●敵/ブロフェルド(テリー・サバラス)
イルマ・ブント(イルゼ・ステパット)
●ボンドガール/トレーシー(ダイアナ・リグ)
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ハントのボンド愛に溢れた作品。”編集マン”ハントであったからこそ出来た細やかなカット割り。本作のアクションの出来の良さはこの細やかな編集によるものと言って良いでしょう(編集担当はのちに監督となるジョン・グレン)。
惜しいところは、作品全体の構成バランスがとても悪い所。見せ場は後半1時間に極端に集中し、前半(例えば”事務所侵入シーン”あたり)に大きな見せ場があれば、さらに傑作となっただろう。
話はほぼ原作通りだが、ビジュアルとしての見せ場もしっかり作り、ボンド映画としてもしっかり立っている。
例えば、イルマ・ブントによる案内のヘリコプター、場所設定を一望に眺める、そのロマン。
脱出でスキー板を用意するボンド、バリーの音楽。絶壁での格闘、麓の街の灯りと微かな街の音楽・・。雑踏の中のボンドの焦り・・、スケート場でうずくまるボンド、目の前にスケート靴が停まる、カメラパンアップ、トレーシーの表情。それら細やかな演出。
車で脱出する2人、電話ボックスのボンドにマシンガン、バリーの音楽。小屋でのロマンス。夜明けのヘリ部隊。マシンガンを捨てワルサーを取りだすボンド・・。ムードたっぷりである。
バリーの傑作音楽と珠玉のカット、シーンのオンパレード。確実にシリーズ上位に来る1作。
ボンド役レーゼンビーはド素人なのに、一流俳優並みにボンドを演じてる。コネリー=ボンドのイメージが強烈だったこの作品の公開当時、レーゼンビーが不評であったのは仕方が無いが、後の雑誌などの評論で、「演技が素人で不評だった」と論じていたのには抗議したい気がします。レーゼンビーは良くやっている。
当時、「女王陛下」はリバイバルもビデオもDVDも無かった。当時の論評をそのまま受け止めるのは無粋でしょう。今や「再認識されている」がすっかり定着している。ちなみに筆者(youon)は、この作品を名画座の劇場で見ています。 |
●極私的注目点
・レーゼンビーのパンチの迫力。
・「あとでリボンをかけてもらえ」でスキー板を整え脱出。
・格闘の中、ふもとのクリスマスソングがかすかに聞こえる。
・トレーシーのスケート靴からパンアップで、トレーシーの表情。。「ジェームズ!」
・山小屋でのおどけたラブシーン。
・初雪を滑走するボンドとトレーシーの空撮にバリーの曲。
・「こちらは赤十字だ」とごまかすボンドらのヘリと警戒飛行機との夜明けのやりとり。
・実際に起こした雪崩。
・他、多数。
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