■インドネシア・バリ島・ゲイ旅行の勧め■

 Vol.1 


●インドネシア・バリ島  Indonesia  Bali
 
 【御注意】 本文に入る前に筆者(南島=fanta)がバリ島へ行ったのが2002年の5月、本文を書いたのが夏で、その年の2002年10月に筆者が宿泊したクタ地区で、まさかの爆弾テロ事件。その後の2005年10月の爆弾テロ事件も「もう起きないだろう」とみんなが思っていただけに衝撃でした。

 とにかく、筆者がバリ島へ行ってその雰囲気を満喫したのは、テロ事件前の事です。それを前提に本文をお読みになってください。本文には書いていませんが、当時は空港の職員をナンパできるほど甘々でしたね。テロ事件後、「あえて狙われた」などと言われましたが妙に納得したものです。

 2002年の5月に宿泊したホテルで仲良くなったホテルスタッフがクラブ好きで、その後の有名クラブの爆弾テロ。筆者は心配して日本から電話をかけて無事を確認しました。亡くなられた方にはお悔やみ申し上げます。そのスタッフAくんも今(2006年)はどうしているでしょう?最近、筆者がやっている別サイト「メンズヌーディズム」を利用されている方で数年前、同じホテルに宿泊し同じスタッフを知ってる方がいらっしゃいました。懐かしい思いがしました。

 それでは以下、2002年の10月に薔薇族に掲載された記事です。ご了承ください。 
【記・2006年11月・南島健太郎(fanta)】


 

ゲイリゾートを満喫!

■■■ バリ島 ■■■


 インドネシアの代表的リゾート地、バリ島。イスラム教信者が多いインドネシアにあって、このバリ島はヒンドゥー教。大きさは東京都の約2倍。島の中央部には火山脈が走り、2,000m級の山々が連なっている。
 標高1500mのキンタマニは、高原リゾート地。南部ののクタ、レギャン、ジンバランなどは、海のリゾートエリア。

 今回、筆者はバリ島に初めて訪れました。いわゆるリゾートと言われるところへは、過去に行った経験がなかったので、いまいちイメージが掴めていませんでした。

 で、行く前に行ったことのある人に「バリ島って、日本で例えたら何処?」とか、しょーもないことを訊いたりしてたんです。

 ある人は、半日考えたすえ、「しいて言えば熱海」とか言っていました。「広いから泊まるホテルで全然違う」とか…。何だかよく分からないまま、前出のシンガポールからバリ島へ。

・ホテルによって違うわけ

 なるほどね。海のリゾート地ってのは、早い話、大きな敷地を持ったリゾートホテルが海岸線に並んでるってこと。そして、そのひとつひとつのホテル内にレストランやプールなどの娯楽宿泊施設がある。ホテルによっては敷地内に海岸そのものさえも備わっているところもある。ホテルのグレードも高級から安価のコテージまでいろいろ。

 ひとつのホテルに泊まったら、敷地の広いホテルだし、隣のホテルをうろつくのもおかしな話し。当然、そのホテルの範囲内で過ごすことになる。だから「ホテルによって全然違う」というのは、そういう訳だったんだ。

 街自体は、とくにどうということない海岸線の街(クタ、レギャンあたり)。おみやげ屋さんがあったり、若い女性が好みそうなブティックや食べ物屋があったり…。

 筆者の感覚で言えば、湘南海岸にプール付きコテージホテルを連ねたような場所。そこに軽井沢のエッセンスを入れたって感じ。まあともかくここは海です。海岸にいるセクシーなオトコを見るのはたいへんいい気分。

 初めて訪れたこのバリ島ですが、筆者にとって、あまり外国のカルチャーショックはありませんでした。日本企業もけっこう入っていることだし、どちらかというと、日本人には分かりやすい土地だと思いました。

・ガムランの響き

 バリ島のガイドブックなどで、「どこからともなく聞こえてくるガムランの響きに耳を傾けていると、次第に時間の感覚が狂いはじめる」なーんて書いてある。
 確かに、レストランのショーや、練習をしているのか、そこらでガムランのカラコロポコポコ…という音が。

 さて、今回筆者は、インターネットで見つけたバリ島にいくつかあるゲイホテル、その中のひとつに泊まったわけです。4泊5日でした。

《写真・上は、クタ地区、ゲイビーチ近く、夕暮れに海で遊ぶ子供たち.。写真・中は、タマンガネッシャビーチの夕暮れ。写真・下は、バリ島の典型的リゾートホテルの部屋》

 

■バリ人


 バリ島で接する人たちは、現地のバリ人はもちろんですが、旅行で来た各国の外国人にも接する機会は多い。これは、リゾート地である所以でしょう。

 泊まったホテルにより、どこの国の人と接するかは違ってくるでしょうが、バリで見かけた外国人の90%は西洋人でした。オーストラリア人が多いとのこと。ビーチで寝そべっているのは西洋人ばかりです。

 また、街やレストランで、日本人とおぼしき人をチラチラと目にします。東アジア系はほとんど日本人じゃないでしょうか? もしくは香港人。ホテルのスタッフの話だと、隣国のシンガポール人はあまり訪れないとのことでした。あとはもっぱら西洋人。

 上記に「バリでは海外カルチャーショックはなかった」などと書きましたが、「へーえ?!」と思ったことがあります。

 インドネシアの中でもバリ島は外貨が入ってくるので豊かなほうらしい。給料も良いとのこと。それで、隣のジャワ島から、働きにやってくるジャワ人が多くいます。筆者の泊まったホテルのスタッフにもジャワ人がいました。ルックスは、バリ人もジャワ人もいわゆるインドネシア人。日本人の目からは見分けはつきません。どちらも体型は日本人とそう変わらない、褐色の東南アジア人です。

 ところが、バリとジャワでは言葉が違う。バリ語とジャワ語があって、双方分からないんだそうです。じゃあ、バリ人とジャワ人は何語でしゃべってるのかと言うと、インドネシア語なんだそうです。インドネシア語は、バリでもジャワでも学校で習うから通じるんだって。「へーえ?!」って思いました。

 ビーチやバーで出会うバリ人とはすぐに仲良くなってしまう。彼らはとてもフレンドリーでした。駆け引きが全く無く、あまりにも簡単に事が運ぶ。「やあ!」「あなた名前は?」「友達になりましょう」「はい」。正直言って簡単すぎてワクワクドキドキできない。まあ、これは贅沢なぼやきですね。

《写真は泊まったリゾートホテルのスタッフAくん。ジャワ出身》


■バリ島のゲイ状況

 バリ島のゲイ状況は、バリを訪れた旅行者とバリ現地の人とのゲイ状況と言った方がいいでしょう。それは、バリのゲイにまつわる場所は、旅行者ゲイとバリ人がコミュニケーションする場所がメインだからです。

 『スパルタカス』のバリ・クタの欄にはバーやショーパブ、クラブなどが10店ほど、ゲイフレンドリーなホテルとゲイビーチが数カ所書かれています。

 ネット情報などでもバーやクラブの名前はいくつも登場します。しかし、ハッキリとゲイを打ち出した施設はそれほど多くありません。

 筆者が調べたはんちゅうで、南バリでのゲイ用とされている施設は、クラブ、バーが2店、ゲイホテルが6軒です。

 他にもゲイが行くクラブやカフェ、レストランなどがありますが、ゲイ専用というわけではありません。それらは、ゲイも訪れて一般に気兼ねすることなくゲイコミュニケーションがとれるといったところです。

 そのような、ゲイとノンケ分け隔てない雰囲気は、南バリリゾート地区全体に感じられました。他国に比べ、ゲイホテルだけが圧倒的に多いのは、ホテルリゾート地である所以でしょう。

《写真・上は、ゲイホテルの広告。写真・下は、インドネシアのゲイマガジン》

バリ島Vol.2に続きます。
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