■インドネシア・バリ島
■Vol.2 

●バリのゲイスポット


・Qバー 
Q-bar (ゲイクラブ)


 2階建てのクラブ。表通りに開けっぴろげになっていて、歩道にまでイスを出しています。

 一般でも出入りが自由ですので、取り立ててゲイ用という感じではありません。また、あまり淫靡な雰囲気ではなく、明るいイメージです。

 一見普通のクラブですが、中に貼ってあるポスターは半裸姿の男性。ネットのゲイサイトでは、ゲイ向けにシャレた告知が出ています。 

 実際訪れる人の80%以上はゲイですね。男性率は95%でした。今、バリのゲイスポットとしていちばん人気のあるところです。

 1階はダンスフロアと円形のカウンターバーが中心。2階は、カウンターバー、ソファーの客席と小さなショップがあります。

 オープンは夜11時。仕事を終えたバリ人が大勢来ていました。盛り上がるのは12時過ぎ。1階はいっぱいになって、歩道まで人であふれます。300人ぐらいは居たでしょうか。70%がバリ人で、30%が旅行者というところ。

 筆者が行ったときは、蒙古系は筆者以外に2人。日本人かどうかは分かりません。堅苦しいとかツンケンするような場所ではなく、バリ人の方から簡単に話しかけてきてくれます。

 この『Qバー』、海岸近くの田舎道に〈なにげ〉にあるのが、何となく不思議な感じがしました。オープンが遅い時間なので、それまでの時間つぶしには、ちょっと工夫が必要です。

住所:Abimanyu Arcade, Jln Dhyana Pura (Gado Gado Street, just down from Sante Fe), Seminyak-Kuta

《写真上・Qバー正面。写真下・Qバー正面の通り、およそ200m先が海》

上記は2002年の10月に「薔薇族」に掲載された文面です。ご了承ください。 【記・2006年11月・南島健太郎(fanta)】

 

■プリ・ウインピー Puri Wimpy
 
 
(ゲイ・リゾートホテル)

 このゲイホテルに4泊しました。インターネットのゲイサイトのみで告知をしているところで、それを見た男性ゲイのみが泊まるのが基本。

 豪華な部屋が全部で4部屋。シングルの1泊基本料金は100$。バリのリゾートホテルの相場から考えるとちょっと高めのミドルクラスといったところでしょう。

 クレジットカードは使用できません(2002当時)。キャッシュ払いです。

 とにかく雰囲気はとても良かったです。ムードあるプールに、広い部屋。スタッフもたいへん良い感じでした。

 4人いるスタッフは、みんな受けの良いルックスで親切です。ゲイ向けホテルとして充分快適です。

 ただ、簡単な朝食は出ますが、レストランが無いので、食事は外に出ることになります。

 場所がクタやレギャンの繁華街から、北に4kほど行ったバサンカサという地区にあるため、繁華街へ行くにはタクシーを使うしかなく、気軽に出歩けないのがちょっと困りました。目の前に5つ星のホテル『ザ・レギャン』があるので、そこのレストランや施設を上手く利用するという手もあるでしょう(今回、筆者はそのような試みをしていません)。

 このホテルから歩いて5分ほどの近くにゲイビーチがあり、気軽に海まで行かれます。そういう点で、昼間は充実できますが、夜はちょっと持てあましぎみでした。

 筆者はもっぱら、ホテルのスタッフとお話したりしてました。

 筆者が泊まった数日は、たまたま他にお客さんがおらず、スタッフも暇だったようです。

 他のホテルに泊まっているゲイのお客さんが、
バリ人ゲイのマッサージを受けに休息利用をしてました。
そういう利用の仕方もあるのでしょう。

 
・天国のような気分

 リゾートホテルの部屋というものを、過去、利用したことのなかった筆者です。この優雅さにはちょっと驚いてしまった。

 部屋の広さは1部屋で20畳ぐらい。そこにばかデカいベッド。ぶち抜きの高い天井、いわゆるインドネシア式の屋根裏のない造り。華麗なインテリア。トイレ、シャワーにはドアがなく、石の壁でおしゃれに仕切られている(上手く表現できません)。ベッドからトイレに行くまで、ひとつの部屋の中なのに15mぐらい離れてる(測りました)。

 あまり広すぎて、落ち着く場所が見あたらず、筆者はほとんどプールサイドのテーブルを落ち着き場所にしていました。冷蔵庫、TV、エアコン、同室者用別ベッド付き。

 部屋の前はすぐプールですし、他に気を使う人もいない。プライベートプールのような状態です。

 裸でいるのが好きな筆者は、1日中ほとんど素っ裸でいました。そうするお客さんも多いとのこと。

 なかなかこんなことはできないので、天国のような気分でした。他にお客さんがいればもっと面白かったでしょう。

 今回、筆者が泊まったのはここだけですので、バリのゲイホテル全体を述べることはできません。ひとくちにゲイホテルと言っても、その内容は千差万別ですし、バリでゲイホテルとされているところも、ネット情報で見る限り6軒もあります。

 ここの場合は〈場所が不便〉というのが大きなネックでしたが、他のゲイホテルもおおむね繁華街から相当離れています。

住所:Jalan Kayu Aya 15A, Basangkasa, Kuta, Bali, INDONESIA

《写真は全てPuri Wimpy。プールの人物は筆者》


 

■タマン・ガネッシャ・ビーチ Taman Ganesha Beach (ゲイビーチ)

 バリでゲイビーチとされているところはいくつかありますが、このビーチがゲイガイドブック『オディッセウス』でトップにきています。また、ネットのバリ島紹介サイトでは、このビーチだけが記述されています。

 筆者の感覚では、日本の地方のゲイビーチに似通った、何てことない海のハッテン場です。外国のゲイビーチに何となく憧れていた筆者にとって、正直、ちょっとガッカリでした。

 日本の地方ビーチと違うところは、マッサージ店が近くにあって、そこら一帯が、わけ知りでゲイフレンドリーであること。また、バリ人のプロがウロウロしてること。旅行者も含め人種はいろいろってなところでしょうか。

 バリ人ゲイも、バリ人プロも、とてもフレンドリーに声をかけてきます。どっちも気軽なので、普通のゲイとプロの見分けがちょっとつきません。そこらへんボーダレスという感じもします。

 ビーチの内側には小さな林があり、そこでハッテンができる。近くにあるマッサージ店、その店先の売店にビーチチェアがあって、ちょっとした日焼けスポットになっています。
 そこにゲイとおぼしき旅行者が休んでいると、すぐに数人のバリ人が隣に寄り添うなりして話しかけてきます。

 ここで筆者が遭遇した人たちは、ガッチリ系でおしゃれにキメたニイちゃん方。正直言ってプロっぽい。親切でフレンドリー、問題ないプロってところでしょうか。

・親切なプロ

 別の日には、スリム系二十歳ぐらいのバリ人が、「スペシャルマッサージで15万ルピア(約US$15)でどうですか?」って言ってきた。

 『どんなもんかな?』と思い、「手だけでいいからね」で、やってみました。彼、林の奧へ奧へと入ろうとしますが、そんな奧に行く必要なんか無いって! そもそもビーチにはたいして人もいないし、いたとしてもほとんどゲイなんだから、筆者はビーチででもいいくらい。逆に人目を気にしてるのは彼の方です。

 筆者があまりにもサバサバしてるので、途中で「あなたゲイですか?」と聞かれてしまった。
 バリのボーイの相場は、マッサージと本番込みで15万ルピアということですから、金払って簡単なことだけさせ、ノリの悪いこの日本人に、彼は不思議な気がしたのでしょう。

 タマンガネッシャビーチは、南バリのリゾートビーチとしては、いちばん北に位置します。ガイドブックによっては地図から外れたところ。まあ、僻地のビーチですね。さすがバリ島。荒い海が見事でした。

 ここはスミニャックの北、バサンカサ地区、その海岸近くにカユ・アヤ通りがあり、その通りに『ラ・ルッチオーラ』というレストランがあります。そのレストランから海岸へ向かう小道を行き、海岸に突き当たる。海岸を右に行くとマッサージ店、その先の林のあたりまで、300mぐらいのエリアです。

《写真上・タマン・ガネッシャ・ビーチより南のビーチからクタ方面を望む。タマン・ガネッシャ・ビーチはこの手前です。雰囲気は同様。写真下・バリビーチの夕暮れ》

 

バリ・エピソード1
■Qバーに行くとゲイになる?

 別項にも書いたように、泊まったゲイホテルが僻地にあるため、夜は何もすることがなくなっちゃう。まあ、いずれにしてもバリのゲイ状況をリサーチするためにも夜のゲイスポットへ行かなければ…。

 ホテルのスタッフに聞くと『Qバー』が人気だと言います。この情報は、ネットや日本での評判でも確認済み。

 ホテルスタッフのA君(23才)とF君(22才)を誘って『Qバー』へ行きました。A君は過去にお客さんと行ったことがありますが、F君は初めて。というのもF君はノンケなんだって。どうもホテルのオーナーにそのキュートなルックスを認められたようです。

 で、『Qバー』に行ったら、F君、案の定モテモテ。ちょっと立場に困ってたみたい。一度行ってどんなところか分かったから、もう彼、行かないんじゃないかな? 行く必要もないもんね。

  『Qバー』には昼間ゲイビーチで知り合ったおにいちゃんも来ていました。「あなたのホテルへ連れてって」と筆者に言ってきたセクシーなバリ人もいましたが、断りました。「あの子、多分、後でお金要求するよ」ってA君から注意を受けた。僕もそう思うワ。まあ、日本人にとってはたいした金額ではないけどね。ホテルスタッフとつるんで遊んでる方が楽しいから、せっかくだけど、けっこうッスわ。

 ホテルスタッフのA君もF君も筆者のタイプ。とくにA君は前からの友達のように、なにかとっても波長が合う。今回の滞在で、いろいろお世話になりました。

 翌日、ホテルマネージャーのPさん(29才)に「昨日、スタッフとQバー行きましたよ」って言ったら、ヘンな顔してる。後でA君、Pさんに怒られたそうだ。可哀相に。

 何故怒られたのかというと、『Qバーに行くとゲイになる』からなんだって。まあ、別の解釈をすれば、『お客さんとあまり親密になるな』ってことなのでしょう。また、A君はバイなので、ゲイにどっぷり浸かっちゃうのをPさんが心配してるとのこと。

 「君がゲイにどっぷり浸かったらハッピーだよ!」って僕が言うと、A君、「誰がハッピーなの?」って聞き返すから、「みんなだよ!」って答えときました。べつにいいじゃんねえ。

《写真上がFKん、写真下がAくん》

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