■シンガポール・
ゲイ旅行の勧め■
●シンガポールVol.1  Singapore
●2005年12月までに筆者はシンガポールに2回訪れています。ゲイ旅行として規模こそはバンコクに劣りはしますがシンガポール人のノリの良さはゲイ旅行を満喫するに充分満足できるものです。特にゲイサウナ好きならバンコクよりもシンガポールを筆者はお勧めします。ただし宿泊費はそれなりの金額ですから、タイのように安くあげるわけにはいきません。

下記のレポートは筆者がシンガポールに初めて訪れた2002年のものを加筆しています。(記・2005年12月)



● この刺激は注目! 

 赤道直下、マレー半島の南端、面積約648平方kmの小さな国。一年を通して大きな気候の変化がなく高温多湿。シンガポールは自由貿易国家として、アジア経済の中心的役割をはたしています。国全体がほとんど都市で、林立する高層ビル街、完備されたシステム、国家人口は約400万人。

 2002年の時点、筆者はインド北部ネパール国3週間の滞在の後、このシンガポールを訪れました。一種ホッとしました。と言うのも、ネパールではゲイ、一般問わずいろんな人が日本人である自分に干渉してきます。ゲイ絡み、旅行絡み、金絡み、純粋な親切、単純な興味、まあ、ネパールは良い意味で『素朴な田舎』だったわけです。不便なことも多い。ところがここシンガポールは『大都会』。不便に思うことはありません。そしてシンガポールの人たちは、よけいな干渉なんかしてこない。自分のような一旅行者は、ワンオブゼムに過ぎないのです。ほんの数日の滞在のためか、何となく開放された気分になりました。これが長期滞在になると逆に孤独を感じるようになるのかもしれません。

 シンガポールは当時初めて訪問した筆者ですが、ここ、たいへん気に入りました。実は日本で旅行スケジュールを立てるとき、東京と似たようなところに長期滞在しても、カルチャーショックも無いだろうし、つまらないと思っていたのです。ところがここ、面白い。この時はたったの2泊3日であったことが実に惜しいと思いました。

 

■シンガポール人


 筆者が以前滞在していたネパールのように微妙に似通った"民族"が同居しているのとは違い、シンガポールは、様々にな異なった"人種"が同居しています。マレー系人、中華系人をはじめ、英国植民地時代にやって来たインド系人やアラブ人、西欧人など。そしてそれぞれの民族が固有の文化、生活様式を守り続けている。シンガポールの街中にリトル・インディア、チャイナタウン、アラブ・ストリートなど民族ごとのエリアがあって、シンガポールそれぞれの顔を作りだしています。
 筆者が訪れたゲイ用施設でのシンガポール人は、中華系70%、マレー系10%、アラブ系、インド系、西欧人、その他それぞれ5%といったところでした。

シンガポールのゲイ事情

 筆者が「シンガポールは面白い」と思った理由は、このゲイ事情の盛り上がりです。どう盛り上がっているかと言うと、ゲイリブとかではなく、ゲイを楽しもうという気運です。

 実はシンガポールにはゲイセックスを禁ずる法が現在でもあります。そのためか、つい最近までゲイサウナなど、ゲイセックスができるゲイ専用施設はありませんでした。これがこの数年で続々とでき始め、多くのシンガポール人がゲイ施設に訪れています。

 このシンガポールのゲイ状況は、ちょっと他国には無い現象ではないでしょうか。と言うのも、いままでシンガポールのような文化的な大都会で、ゲイサウナが無かったことが不自然な状況でありました。一方、高度なテクノロジーが整ったこの国で、インターネットや他国のあらゆるゲイ情報を手に入ることは充分可能だったわけです。いわば、情報ばかり豊富で、行動が抑圧された状況の中から、いきなり最新システムのゲイサウナができ、一気に突破口が開いてしまったようなものです。そのため、訪れる人の気運が高まっていることがよく分かります。日本にはこのような気運はすでになく、うらやましい限りです。

 世界ゲイガイドブック『スパルタカス』のシンガポール欄には、バー・カフェが10店ほど、クルージング場所が多く記述され、同じくゲイガイドブックの『オディッセウス』には、セントーサ島のゲイビーチについて詳しく書いてあります。ネットのシンガポール・ゲイガイドでは、専用のバーが9店、ゲイクラブが7店、ゲイマッサージが3店、ゲイサウナが5店、他ゲイショップなどが載っています(2005年時点ではさらに増えています)。

 今回筆者が直接訪れたのはゲイサウナは、どこも最新のセンスを持ち合わせた場所で、たいへん楽しめました。シンガポールは今後、注目されるべきところです。

 

シンガポールエピソード1
 
何故、日本人がバレる?


 シンガポールの中国系のルックスは、香港よりも日本人に近いと思う。実際、僕はネパールで日本人だと思い、声をかけたら、シンガポール人だったという経験があります。そして、シンガポールは公用語が英語ですので、僕のような日本人が英語をしゃべっていてもおかしくない。

 僕は英語を流ちょうに話せるわけではありませんが、それこそしゃべらなければ、シンガポール人と見分けが付かず、日本人だとは分からないはず…、と思っていました。ところが、これが簡単にバレる(べつにバレてもいいんですけどね)。

 まず、シンガポールに着いたとたん、空港でバスのチケットを買うとき、「ハウマッチ?(いくら?)」って言ったら、日本語で即座に「7(なな)ドルです」って言われた。

 僕が韓国人や中国人だったらどうするんだろう? 「Why you know I'm Japanese?(なぜ日本人って分かったの?)」って訊いたら、一瞬たじろいだその係員のおばちゃん、「う~ん、スラング(俗語)ね」って言った。スラングったって「ハウマッチ」しか言ってねーよ!みたいな。なんか自分の発音、自信喪失。

 で、こんなことは序の口。まあ、ホテルのレセプションで日本人と指摘されるのは、ホテルスタッフが旅行者を見抜くプロだから当然として、行った全てのゲイサウナ、受付の段階で「日本人ですか?」って訊かれたのはショック。

 ゲイサウナ『ブルーヘブン』でなんて、受け付け行って、英語で「初めてですか」って訊かれて「イエス」って答えて、説明黙って聞いて、「オーケー」って言ったら、「Are you Japanese?(日本人ですか?)」って訊かれた。

 俺、「yes」と「ok」しか言ってねーよ。何で分かるんだろ? 俺って、日本人独特のダサさとかあんのかなぁ? 3時間後ぐらいにこの『ブルーヘブン』を出るとき、入ったときにいた受付のおにいちゃんは、西洋人のスタッフにチェンジしていました。

 その西洋人スタッフ、僕に「まことにありがとうございました」って日本語で言ったよ。「はぁ」って感じだけど、今度は一言もしゃべってねーっての。 

 《写真上はチャイナタウン付近、下地図は外務省のHPを利用しました》
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